こんにちは。
本日は支払督促について話をしたいと思います。
なお行政書士は支払督促の作成代行はできませんが、私は勤務時代に支払督促を多用しておりまして、正確にはカウントしていませんが2000件近くは発布させました。その経験を話すことで私の直接の利益にはつながりませんが、誰かのお役にたてればと思い記事にします。なお、実行にうつす際は自己の責任で行っていただき、手続きなどに自信がない方は、弁護士さんや司法書士さん等の適法な専門家等に相談してください。
1支払督促とは
金銭、有価証券、その他の代替物の給付に係る請求について、債権者の申立てにより、その主張から請求に理由があると認められる場合に、支払督促を発する手続であり、債務者が支払督促を受け取ってから2週間以内に異議の申立てをしなければ、裁判所は、債権者の申立てにより、支払督促に仮執行宣言を付さなければならず、債権者はこれに基づいて強制執行の申立てをすることができます(裁判所ホームページより)。
以上となっておりますが、経験者でないとちょっとわかりづらいかもしれません。裁判所に申し立てをし、受付され審査の上でOKであれば債務者に支払督促という金銭であればいくらいくら支払いしてくださいといったような内容の書面を債務者におくります。債務者が放置した場合は、債権者は仮執行付支払督促の申立てをし、強制執行に必要な債務名義(判決文みたいなイメージ。判決ではない)を取得することができる流れになります。必要書類などは別記事であげることができればやりますが、そう多くはありません。債権の内容によっては請求の趣旨及び原因が難しい場合があります。記述の仕方では一部または全部の内容を裁判所に認めてもらえない可能性もあります。ちなみに私は金銭請求だけ行っておりました。
2私は勤務時代にどう使ったか
金銭請求全般に使用しました。不動産関係でしたので賃料等、更新料等など請求が発生しているにも関わらず支払いがないものについては積極的に活用しました。申立てはほぼ通りましたが、若干の手直しが必要な場合があるので捨印は押したほうがいいですね。
3効果はどうだったか
支払い督促が発布されるだけで入金、もしくは連絡がとれて前向きな話しができたケースは4~5割くらいではないでしょうか。債務者の内容もあまりよろしくない集合体に対しての支払督促でしたので、ちょっと逃げているくらいの債務者でしたら効果は高いと思います。この辺は私の感覚値で話してしまって申し訳ないのですが。
4強制執行はできるのか
仮執行宣言付支払督促を取得すれば、送達証明を別に申請して申立可能です。一番差押えの確実性が高いのは債務者の勤務先の給与ですね。なので、債権が発生する際には債務者の勤務先は確認し、なるべく在籍の確認をとるべきだと思います。個人経営よりは、法人がいいかと思いますが、個人経営でも協力的な社長もいれば法人でも執行妨害じゃないの?といってもいいレベルの対応をしてくる方もいます。大手だから大丈夫だろうと思っていたら思わぬことを言ってくる場合もあるので、入金になるまでは安心はできませんね。
5実際おすすめなのか
おすすめです。よく本人訴訟支援本には争うことが明らかな相手には支払督促ではなく、訴訟がいいと書いてある場合もありますが、意外に支払督促をうつと素直に払ってきたり、異議を出してきても(支払督促に対して異議を出すと訴訟に移行する)和解希望だったりします。その場合は債務者に連絡し、訴訟外で和解をしてしまうこともできますので裁判所に行かなくていいのは楽ですね。また異議がでなければ印紙代は訴訟の半分ですし、予納の切手もすくないです。異議がでて訴訟に移行してもケースによっては証拠書類の類をつけなくても口頭弁論を争えますから手続き的には省略できます。今後定期的に法的措置とるかもなあという方は、支払督促のひな形だけ作成しておけば申立ての際にそれを債務者ごとに加工すればいいですし、訴訟に移行した場合は裁判所に手続きを確認し、指示の上すすめていけばいいかなと思います。都度、訴状を作るよりは簡易迅速ではないかなと思います。