公正証書遺言の「原本」はどこへ?謄本・正本との違いと確実な保管方法

行政書士が解説!大切な遺言書を守るために知っておくべきこと

公正証書遺言は、最も安全で確実な遺言方法の一つです。しかし、作成後に「遺言書の原本はどこにあるの?」「謄本正本とどう違うの?」と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。

このブログでは、行政書士の立場から、これらの疑問を解消し、大切な遺言書を確実に保管するための知識をお伝えします。


🏛️ 公正証書遺言の「原本」は公証役場に永久保管!

自筆証書遺言とは異なり、公正証書遺言の原本は、遺言者や相続人が保管するわけではありません。

項目保管場所
公正証書遺言の原本作成した公証役場

公正証証書遺言は、公証人が法に基づいて作成し、その原本は作成から原則として20年間(※)、公証役場に厳重に保管されます。

※2020年4月1日施行の法律改正により、遺言書に関する公正証書の原本の保存期間が、原則20年から50年に延長されました。さらに、特に重要な遺言書については公証役場の判断で永久保存とされることもあります。

この公証役場での保管こそが、公正証書遺言の最大のメリットの一つです。

  • 紛失・偽造・破棄の心配がない:火災や地震などで自宅の書類が失われても、原本は公証役場に残ります。
  • 家庭裁判所の検認手続きが不要:公正証書遺言は、形式の不備がないことが公証人によって証明されているため、相続開始後の検認手続きが不要となり、すぐに遺産整理の手続きに移れます。

🏷️ 謄本・正本・原本の違いを理解する

公正証書遺言を作成すると、遺言者には「原本」ではなく、「正本」や「謄本」が交付されます。これらの違いを理解しておきましょう。

種類意味効力交付される人
原本作成されたオリジナルの文書。公証人、証人、遺言者が署名・捺印したもの。最重要の証拠力公証役場に保管。
正本原本の内容を完全に写し取り、原本と同一の効力を持つことが公証人によって証明された文書。原本と同一の法的効力を持つ。相続手続きに使用可能。遺言者に交付される。
謄本原本の内容を完全に写し取った文書で、写しであることを証明したもの。法的効力は正本に劣るが、内容の証明として有効。遺言者に交付される。

遺言者ご自身が受け取り、ご自宅で保管するのは、この「正本」「謄本」になります。特に「正本」は、相続開始後に金融機関での手続きや不動産の相続登記などに必要となる最重要書類です。


🔒 遺言書の「正本」・「謄本」の適切な保管方法

原本が公証役場にあるとはいえ、交付された「正本」や「謄本」も非常に重要な書類です。

1. 誰もが知っている場所に保管する

  • 金庫や耐火性の保管庫:火災や水害から守るため、耐火性の金庫などが理想的です。
  • 保管場所を特定の人に伝えておく:遺言書の存在を知っていても、保管場所が分からなければ意味がありません。信頼できる推定相続人や遺言執行者に「保管場所」を明確に伝えておきましょう。
  • 遺言書の存在を知らせる:遺言書を作ったこと自体を、信頼できる家族や行政書士などの専門家に伝えておくのが最善です。

2. 公証役場の「検索システム」を活用

公正証書遺言を作成した事実は、全国の公証役場で管理されている「遺言検索システム」に登録されます。

相続発生後、相続人などが最寄りの公証役場で照会すれば、「誰が」「いつ」「どこの公証役場で」公正証書遺言を作成したかを確認できます。たとえ正本・謄本を紛失しても、このシステムで作成の事実が確認できれば、保管されている公証役場から再度の交付(相続人、遺言執行者等に)を受けることができます。


💡 まとめ:行政書士からのアドバイス

公正証書遺言は、あなたの最後の意思を確実に実現するための強力なツールです。

  • 原本は公証役場に永久保管され、紛失や偽造の心配がありません。
  • 交付された正本は、相続手続きの際に最重要書類となります。
  • 正本・謄本は、信頼できる人に保管場所を伝え、安全な場所で大切に保管しましょう。

遺言書を作成しても、保管や情報伝達が不十分では、いざという時に効力が発揮されません。公正証書遺言の作成から保管、そして実行まで、不安な点があれば、ぜひお近くの行政書士にご相談ください。あなたの財産とご家族への想いを守るため、法的なサポートを提供いたします。


📞ご相談はお気軽に!

公正証書遺言の作成サポート、遺言書の保管に関するご相談、相続手続きのサポートまで、幅広く承っております。

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