産業廃棄物収集運搬業の許可は、事業を始める上で避けて通れない重要な手続きです。しかし、「どれくらいの期間で許可が取れるのだろう?」と不安に感じる方も多いでしょう。
結論から言うと、すべて順調に進んだとしても、申請準備から許可取得まで最短で3〜4ヶ月は見ておく必要があります。
ここでは、許可取得までの「標準処理期間」と、それとは別に必要な「準備期間」について、現実的なスケジュールを解説します。
⏳ 1. 標準処理期間(申請から許可が下りるまで)
「標準処理期間」とは、申請書が受理されてから行政庁が処分(許可・不許可)を下すまでに、通常必要とされる標準的な期間のことです。
- 期間の目安:
- 多くの自治体では60日間(土日祝日および書類の補正期間を除く)と定められています。
- 日数を営業日(開庁日)換算すると、おおよそ2〜3ヶ月に相当します。
- 注意点:
- この期間は、申請手数料が納入されるまでの期間や、書類に不備があった場合の補正にかかる期間は含まれません。
- 自治体や申請窓口、時期(繁忙期など)によって、審査期間には幅が出る場合があります。
重要なポイント: 標準処理期間は「申請書を提出した日」からカウントが始まります。この期間を短縮することは難しいため、いかに申請前の準備を早く、完璧に行うかが、全体の期間を左右します。
📝 2. 準備スケジュールの現実:3つのフェーズ
標準処理期間とは別に、申請のための準備に要する期間も考慮しなければなりません。特に、「講習会の受講」と「必要書類の収集・作成」に時間がかかります。
フェーズ1:事業計画と要件の確認(約1週間~1ヶ月)
最初に、許可の要件(欠格要件の確認、経理的基礎、施設要件など)を満たしているかを確認します。
- 車両・積替保管施設の確保
- 事業の開始に必要な資金の確保
- 役員等の欠格要件確認
フェーズ2:許可要件となる講習会の受講と修了証の取得(約1〜2ヶ月)
許可申請には、公益財団法人 産業廃棄物処理振興センターなどが実施する講習会を受講し、修了証を取得することが必須です。
- 講習会の予約: 日程が限られており、すぐに予約が埋まることがあります。真っ先に予約を取りましょう。
- 受講・修了: 講習会受講後、修了試験を経て修了証が発行されます。申込から修了証が手元に届くまでに、約1〜2ヶ月程度かかる場合があります。
- 最優先事項: 講習会の受講は、申請準備の中で最も時間を要し、スケジュールが固定される部分です。準備の初期段階で必ず着手しましょう。
フェーズ3:申請書類の収集と作成(約2週間~1ヶ月)
申請に必要な書類は多岐にわたり、準備に時間がかかります。
- 収集が必要な主な書類:
- 公的な証明書: 履歴事項全部証明書(法人の場合)、住民票、納税証明書など。
- 財務書類: 直近3年分の貸借対照表、損益計算書など。
- 車両関係書類: 車検証、車両の写真、運搬容器の写真など。
- 講習会修了証
- 書類作成: 事業計画書、収集運搬計画書、施設の使用権限を証する書類などを作成します。
スケジュール短縮の現実: この「書類の収集・作成期間」を、「講習会受講・修了証発行までの期間」と並行して進めることで、全体の期間を短縮できます。行政書士などの専門家を活用することも、書類作成の迅速化と不備防止に有効です。
📅 現実的な全体スケジュール(最短)
準備期間と標準処理期間を合わせると、以下のような流れになります。
| フェーズ | 期間の目安 | 備考 |
| 準備期間 (講習会予約・受講・書類収集) | 1〜2ヶ月 | 講習会の日程に依存。書類作成と並行。 |
| 申請予約 (自治体による) | 0日〜1ヶ月 | 事前予約が必要な場合、その待ち時間が加わる。 |
| 標準処理期間 (申請受理から許可まで) | 2〜3ヶ月 | 土日祝、補正期間を除く60日(目安)。 |
| 合計所要期間 | 3〜4ヶ月以上 | すべて順調に進んだ場合の最短期間。 |
💡 許可取得をスムーズにするための秘訣
許可取得を遅らせないために、以下の点を特に意識しましょう。
- 最優先で講習会を予約する: 許可取得までの期間を決定づける要因です。
- 書類の不備をゼロにする: 書類不備による「補正」は、その期間が審査期間にカウントされないため、許可までの期間を大幅に引き延ばす最大の要因となります。
- 計画的な逆算スケジュール: 「いつまでに事業を開始したいか」から逆算し、ゆとりを持ったスケジュールを組みましょう。
- 行政書士の活用: 複雑な法令要件や大量の書類作成に不慣れな場合は、専門家に依頼することで、準備期間の短縮と確実な申請が可能になります。
産業廃棄物収集運搬業の許可は、法令遵守の意識と、余裕をもった計画的な準備が成功の鍵です。

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