【行政書士が解説】産廃許可・「資金調達計画」は事業の継続性を示すバロメーター

産業廃棄物収集運搬業の許可を維持するためには、健全な経営状態であることが求められます。申請書に記載する「事業の開始に要する資金の総額及びその資金の調達方法」は、いわば貴社のビジネスの「ガソリン」がどこから、どれだけ供給されるかを示すものです。

今回は、審査官が何を見ているのか、行政書士の視点からその核心に触れます。


1. なぜ「資金計画」が問われるのか?

産廃業は、不法投棄などの不適切処理を未然に防ぐため、「安定して事業を継続できる能力(経理的基礎)」があることが許可の要件となっています。

「お金が足りなくなったから運ぶのをやめて、道端に捨ててしまった」という事態を避けるため、自治体は「開始資金は十分か?」「その金はどこから持ってくるのか?」を厳しくチェックするのです。


2. 「資金の総額」の考え方

「事業の開始に要する資金」といっても、新規設立会社と、既に他事業を行っている会社では捉え方が異なります。

  • 設備投資額: 車両の購入費、運搬容器(ドラム缶やトン袋)の購入費など。
  • 運転資金: 燃料費、人件費、保険料、駐車場の賃料など、事業開始後数ヶ月分を賄うための資金。

行政書士の視点では、第2面の「事業計画(運搬量)」と照らし合わせ、その計画を遂行するために「過不足のないリアルな金額」が算出されているかを確認します。


3. 「調達方法」の信頼性

算出した総額をどう準備するか。ここには、貴社の財務的なバックボーンが現れます。

  • 自己資金: 預貯金、増資分。これについては、直近の決算書や残高証明書との整合性が問われます。
  • 借入金: 銀行等の金融機関からの融資。具体的な金融機関名の記載が求められることもあります。

実務上のポイント: 「調達方法」の合計額は、必ず「資金の総額」と一致しなければなりません。また、もし決算書が債務超過や赤字である場合は、この資金調達計画の説得力が許可の可否を分けることもあります。その際は、中小企業診断士等の診断書を併用するなどの高度な判断が必要です。


4. 埼玉県特有の視点:安定した適正処理のために

埼玉県は産廃の流動が激しい地域です。だからこそ、一時的な資金繰りだけでなく、「中長期的に適正処理を続けられるか」という視点が重視されます。

「資金計画がしっかりしている=現場での安全対策や車両のメンテナンスにも予算を割ける」という証左になり、それが結果として「信頼される業者」としての評価に直結します。


まとめ

「資金の総額及び調達方法」の記載は、単なる数字の記入ではありません。貴社がこれから始める(あるいは拡大する)産廃ビジネスの、安定性と信頼性を裏付けるための「財務の設計図」です。

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