こんにちは。埼玉県越谷市で行政書士濱口事務所を経営している濱口です。
宅建業(不動産業)の開業を検討している方から、以下のようなご相談をいただくことがあります。
- 「固定電話は必須ですか?」
- 「携帯電話だけでも開業できますか?」
- 「シェアオフィスやレンタルオフィスを事務所にできますか?」
結論から申し上げますと、携帯電話やレンタルオフィスを利用して宅建業免許を取得することは可能です。しかし、宅地建物取引業法(以下、宅建業法といいます)で定められた「事務所」としての要件を満たす必要があり、「単に契約したから大丈夫」というものではありません。
今回は、埼玉県の宅建業免許申請の手引きをもとに、具体的な要件を解説します。
第一 携帯電話を連絡先として免許を取得する要件
宅建業法第3条第1項における「事務所」には、業務を継続的に行える設備が求められます。携帯電話を事務所の電話として登録する場合、以下の条件をすべて満たす必要があります。
1. 事務所から持ち出さないこと 埼玉県の手引きでは、携帯電話について「事務所外へ持ち出さないことを条件に認める」とされています。宅建業法上の電話は、あくまで事務所に固定して設置された設備として考えられているためです。外出先で自由に持ち歩く営業用携帯電話としては使用できません。
2. 正しい名義での契約 電話回線の契約名義は、以下のように一致している必要があります。
- 法人の場合:法人名義
- 個人事業の場合:事業主本人名義
3. 私用や他法人との共用不可 宅建業専用の電話番号であることが必須です。個人のプライベート用携帯電話や、グループ会社を含む他法人との共用は認められません。
4. 申請時の証明資料 免許申請時には、適切な名義で契約されていることを証明するため、契約書、請求書、契約内容が確認できる画面の写しなどの提出が必要です。
第二 シェアオフィスやレンタルオフィスを利用する要件
シェアオフィスやレンタルオフィスを事務所とする場合も、条件付きで認められます。宅建業法上の事務所として認められるためのポイントは、物理的な「独立性」と「継続性」の2点です。
1. 継続的に使用できること(マンスリーオフィスの注意点) 月単位で利用するような短期契約のオフィスは、「継続的な事業拠点」と認められない場合があります。契約期間や自動更新の有無など、利用形態を十分に確認する必要があります。
2. 独立した専用個室であること 顧客のプライバシーを守りながら業務を行うため、天井まで壁で仕切られた専用の個室が必要です。次のような形態は、原則として事務所として認められません。
- フリーアドレス席
- コワーキングスペース
- 共用ラウンジ
- 共用会議室のみを利用する形態
- 高さの低いパーテーションで簡易的に区切っただけのスペース
3. 独占的に使用できることの証明 免許申請時には、「その部屋を自社のみで独占的に使用できる」ことを示す賃貸借契約書や、施設側が発行する証明書類の提出が求められます。
第三 契約前の事前確認が重要です
このように、携帯電話やレンタルオフィスでも宅建業免許を取得することは可能です。しかし、「携帯電話を外に持ち出せない」「共用スペースだけでは許可が下りない」など、一般的な利用イメージとは異なる厳しいルールが存在します。
「すでに契約してしまったが、要件を満たしていなかった」という事態になると、無駄な費用や契約のやり直しが発生してしまいます。
これから宅建業免許の取得を検討されている方は、事務所の契約や通信回線の契約を行う前に、ぜひ一度濱口事務所へご相談ください。事前に図面や契約予定の内容を確認し、法令に適合しているかを判断することで、スムーズな免許取得をサポートいたします。

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