公正証書遺言の「証拠力」はなぜこんなに強力なのか?

遺言書の作成を検討する際、専門家が口を揃えておすすめするのが「公正証書遺言(こうせいしょうしょゆいごん)」です。

自筆証書遺言(自分で書く遺言)に比べて費用や手間はかかりますが、それでも選ばれる最大の理由は、その圧倒的な「証拠力の強さ」にあります。

「遺言なんて書いてあればどれも同じでは?」と思われるかもしれませんが、いざ相続が発生した時、その信頼性には天と地ほどの差があります。今回は、なぜ公正証書遺言がこれほどまでに法的に強いのか、その理由を解説します。

1. 「法律のプロ中のプロ」が作成するから

公正証書遺言を作成するのは、公証人(こうしょうにん)と呼ばれる人たちです。

公証人は、長年にわたり裁判官や検察官などを務めた、いわば「法律の実務経験が豊富なプロフェッショナル」の中から法務大臣によって任命されます。

ただ文章を作るだけでなく、「遺言を残す本人に正常な判断能力(遺言能力)があるか」「脅されて書かされていないか」を、プロの目で厳格に確認しながら作成します。そのため、後になって「認知症で判断できなかったはずだ」といった無効の主張を退ける強力な根拠となります。

2. 厳格な本人確認と証人の立会い

公正証書遺言を作成する際は、実印や印鑑証明書による厳重な本人確認が行われます。これにより「別人がなりすまして書いた」という疑いを完全に排除できます。

さらに、利害関係のない証人2名の立会いが義務付けられています。「公証人+証人2名」という第三者が、「間違いなく本人が自分の意思で口授(くじゅ)した」ことを見届けるため、密室で書かれた自筆の遺言とは比べ物にならない信用性が生まれます。

3. 原本は公証役場で厳重に保管される

自筆の遺言書でよくあるトラブルが、「相続人の一人が自分に不利な遺言書を見つけて破り捨ててしまう」あるいは「隠してしまう」というケースです。

しかし、公正証書遺言の場合、原本は公証役場の金庫で厳重に保管されます(原則20年、実務上はそれ以上)。手元には正本・謄本が渡されますが、もし紛失しても再発行が可能です。 「改ざん」「隠匿」「紛失」のリスクが構造上あり得ないため、その内容が確実に実行されるのです。

4. 裁判所の「検認」が不要=最初から信用されている

自筆証書遺言(法務局保管制度を利用しない場合)は、死後に家庭裁判所で「検認」という手続きを経ないと開封できません。これは「遺言書の形状を記録する」手続きですが、公正証書遺言はこの検認が不要です。

これは、「公文書として作成された時点で、すでに信用性が担保されている」と法律が認めているからです。銀行や法務局での手続きも、検認なしで即座にスタートできるため、残されたご家族の負担も大幅に軽減されます。

まとめ

公正証書遺言の証拠力が強力な理由は、「作成のプロセス」と「保管の仕組み」が国家資格者によって厳格に守られているからです。

  • 元裁判官などの法律のプロが関与する
  • 意思確認・本人確認が徹底されている
  • 偽造・変造が不可能

「絶対に揉めさせたくない」「確実に想いを実現したい」とお考えであれば、証拠力の高い公正証書遺言での作成を強くおすすめします。

当事務所では、公証役場との打ち合わせから証人の手配まで、公正証書遺言の作成をトータルでサポートしております。作成に不安がある方は、ぜひ一度ご相談ください。


コメント

この記事へのトラックバックはありません。

関連記事

特定商取引法に基づく表記を徹底解説!安心な通販サイト運営のために

埼玉県 公正証書で金銭消費貸借契約書を作成

公証役場に代理出頭できます

PAGE TOP
お電話:048-940-9193 / 070-8962-1375
ご相談・お問い合わせ