【行政書士が解説】産廃許可と「定款」:事業目的という名のパスポート

埼玉県で産業廃棄物収集運搬業を始めるにあたって、履歴事項全部証明書(登記簿謄本)と一緒に必ず準備するのが「定款」です。

行政書士が定款をチェックする際、実は一文字も疎かにできないポイントがあります。それは、貴社が「産廃業を営むことを、会社の目的として正式に定めているか」という点です。


1. 「事業目的」に適切な文言が入っているか?

産廃許可を申請する際、定款の「目的」欄に、これから行う事業の内容が記載されていなければなりません。

  • 標準的な記載例: 「産業廃棄物の収集、運搬及び処理業」

もし、現在の定款に「運送業」や「建設業」しか書かれていない場合、そのままでは申請が受理されない、あるいは補正を求められるケースがあります。許可申請の前に、「目的変更の登記」が必要になる可能性があるのです。


2. 行政書士がチェックする「原本証明」

申請の窓口に提出するのは定款のコピーですが、これには「原本証明」という手続きが必要です。

原本証明とは: 「この写しは、当社の現行の定款と相違ありません」という文言を最終ページに記載し、代表者印を押印すること。

形式的な作業に見えますが、古い定款(設立時のままのもの)を提出してしまい、その後の株主総会で決議された変更内容が反映されていないといったミスは意外と多いものです。最新の状態であるかを厳格に確認します。


3. 「役員の任期」と産廃許可の関係

少し専門的な視点ですが、定款に定められた「役員の任期」も無視できません。

産廃許可は「役員の欠格事由」を厳しくチェックするため、登記上の役員が任期満了のまま放置(選任懈怠)されていると、手続きに支障をきたすことがあります。定款を確認することで、会社のガバナンスが健全に保たれているかを、副次的に判断する材料にもなります。


4. 埼玉県での申請に向けた「先回り」の準備

埼玉県知事への申請において、定款は「会社の身分」を担保する基礎資料です。

「事業目的にどんな文言を入れれば、将来の事業拡大(積替え保管や中間処理など)にも対応できるか」「現在の定款が最新の法律(会社法)に適合しているか」など、許可申請を機に定款を見直すことは、会社経営の足腰を強くすることにつながります。


まとめ

定款は、産廃業という新たなステージに立つための「パスポート」です。申請の直前になって「目的が入っていない!」と慌てないよう、早めに内容を精査し、必要であれば登記のメンテナンスを行っておきましょう。

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