埼玉県で産業廃棄物収集運搬業の許可を申請する際、必ず法務局で取得して提出するのが「履歴事項全部証明書」です。
これは会社の「履歴書」のようなもので、設立から現在に至るまでの変遷が記録されています。行政書士がこの書類を手にしたとき、真っ先に確認する「3つの急所」について解説します。
1. 「事業目的」の最終確認
「定款」の解説でも触れましたが、履歴事項全部証明書に記載されている「目的」欄に、産廃業に関する文言が含まれている必要があります。
- ポイント: 定款に記載があっても、登記(履歴事項全部証明書への反映)が漏れていれば、対外的な証明にはなりません。埼玉県知事(審査官)は、この謄本の文字を見て、貴社の事業範囲を法的に確認します。
2. 「役員情報」と「欠格事由」の照合
履歴事項全部証明書には、取締役、監査役、執行役などすべての役員名が載っています。
- 一致の原則: 申請書(第1面)に書いた役員名や住所が、この証明書と1文字でも違えば、即座に補正(修正)対象となります。「渡辺」と「渡邊」といった漢字の違いも許されません。
- 欠格条項の精査: 記載されている役員全員について、誓約書や身分証明書との整合性をとり、法的な不適格者が紛れ込んでいないかを徹底的に洗います。
3. 「有効期限」と「最新の状態」
産廃許可申請において、履歴事項全部証明書には「発行から3ヶ月以内」という有効期限が設けられているのが一般的です。
実務上のポイント: 注意が必要なのは、期限内であっても「内容が最新か」という点です。申請の準備中に役員が交代したり、本店を移転したりした場合は、書き換わった後の「最新の証明書」を出し直さなければなりません。古い情報のまま申請してしまうと、虚偽記載とみなされる恐れすらあります。
4. 信頼を支える「登記」のメンテナンス
履歴事項全部証明書が整っているということは、その会社が法令に従って正しく管理されている証拠でもあります。
役員の任期が切れたまま登記が放置されている「選任懈怠(せんにんけたい)」などがないか。この機会に会社の登記情報をクリーンに整えることは、埼玉県から許可を得るための「経営者の姿勢」を評価されることにもつながります。
まとめ
履歴事項全部証明書は、産廃許可申請におけるすべての情報の「源泉」です。この1枚を土台として、他の書類を積み上げていくことで、揺るぎない申請書が完成します

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