【行政書士解説】宅建業更新の難関?「宅地建物取引業経歴書」の書き方と注意点

こんにちは、行政書士の濱口です。

宅地建物取引業の免許有効期間は5年間。あっという間に更新の時期(満了の90日前~30日前)がやってきます。 更新申請の書類作成を進める中で、多くの事業者様が頭を悩ませるのが「宅地建物取引業経歴書(添付書類1)」です。

「5年分の数字をどうやってまとめればいいの?」 「決算書と数字が合わないけれど大丈夫?」

今回は、そんな疑問にお答えすべく、プロの視点で作成のポイントと注意点を解説します。

1. 宅地建物取引業経歴書とは?

この書類は、過去5年間(または5期分)の宅建業の実績を行政庁に報告するためのものです。 具体的には、以下の項目を年度ごとに集計して記載します。

取引の態様: 売買・交換・貸借(代理・媒介)

実績の内訳: 件数、取引価額(千円単位)、受取手数料(千円単位)

2. 作成時の重要ポイント3選

① 対象期間の数え方

法人と個人で集計期間の考え方が異なります。

法人の場合: 直前5期分の決算年度ごとに作成します。

    ◦ ※決算期の変更などで1期が1年に満たない場合でも、5期分(5枚)ではなく直前5か年分をカバーするように作成してください(場合によっては6期分の記載が必要になります)。

個人の場合: 1月1日~12月31日の暦年で区切り、直前5年分を作成します。

② 決算書(損益計算書)との整合性

これが審査で最もチェックされるポイントです。 経歴書に記載する「手数料」の合計額は、損益計算書の売上高(宅建業にかかる部分)と整合している必要があります。 審査の際、大幅な差異があると「帳簿の記載ミスか、決算書の計上ミスか?」と確認が入る場合があります。

税抜・税込の統一: 決算書が税抜経理なら経歴書も税抜で、税込なら税込で統一して記載しましょう。

③ 「取引台帳」をもとに作成する

この経歴書は、事務所に備え付けが義務付けられている「取引台帳」を集計して作成するのが原則です。更新申請は、日々の帳簿付けが正しく行われているかの答え合わせでもあります。

3. よくある質問「実績がない場合はどうする?」

「この1年は忙しくて仲介を1件もやらなかった…」という場合もあるでしょう。

実績がない年度: その年度の欄には「実績なし」と記載すればOKです(空欄のままにしない)。

【重要】直近1年間がゼロの場合: 更新申請の直前1年間に宅建業の実績が1件もない場合は、別途「理由書(任意様式)」の提出が必要になります。 「本業の建設業が多忙であったため」などの理由を記載して提出しましょう。

4. マンション管理や賃貸業は含まれる?

ここも間違いが多いポイントです。 この書類に書くのはあくまで「宅地建物取引業(売買・交換・貸借の代理・媒介)」の実績です。自社物件の賃貸収入(不動産賃貸業)や、管理料収入(不動産管理業)は宅建業ではないため、この経歴書には計上しません。これらを混同して記載すると、実際の仲介手数料収入と数字が合わなくなってしまいます。

まとめ

「宅地建物取引業経歴書」は、過去5年間の通信簿のようなものです。 日頃から取引台帳をしっかりつけていれば恐れることはありませんが、5年分をまとめて計算するのは骨の折れる作業です。

「計算が合わない」「台帳の整備から不安がある」という事業者様は、更新期限ギリギリになって慌てないよう、お早めに行政書士へご相談ください。

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