こんにちは、行政書士の濱口です。
宅建業の免許申請(新規・更新)書類の中で、一見地味ですが、実は申請全体の「設計図」ともいえる重要な書類があります。 それが、「添付書類(9)代表者等の連絡先に関する調書」です。
「ただ役員の名前と電話番号を書くだけでしょ?」と軽く見ていると、後で公的書類の取得漏れに気づき、法務局や役所へ二度手間・三度手間…ということになりかねません。
今回は、この書類の正しい書き方と、ここから波及する「書類収集の連鎖」について解説します。
1. 誰の名前を書くべきか?(監査役も忘れずに!)
この書類には、会社の経営に関与する「重要人物」全員を記載します。 埼玉県の手引きによると、以下の役職にある方は全員記入対象です。
• 代表取締役、取締役
• 監査役(※忘れがちですが必須です!)
• 代表執行役、執行役、会計参与
• 代表社員、社員(持分会社)、理事・監事(組合)
• 政令使用人(支店長や営業所長など、令第2条の2で定める使用人)
【ここがポイント】 「非常勤の役員だから書かなくていい?」という質問をよく頂きますが、宅建業法においては非常勤役員も含めて全員記載する必要があります。
2. この書類が「マスターリスト」になる理由
なぜこの書類が重要かというと、**「この調書(添付書類9)に名前を書いた人」=「公的証明書が必要な人」**というルールがあるからです。
この調書に記載された全員について、以下の書類をセットで集める必要があります,。
1. 身分証明書(本籍地の市区町村で発行)
2. 登記されていないことの証明書(法務局本局で発行)
3. 略歴書(添付書類3)
つまり、この調書への記載が漏れていると、当然これらの証明書も添付漏れとなり、審査がストップしてしまいます。最初にこのリストを完璧に作ることが、スムーズな申請の第一歩です。
3. 「電話番号」記入時の落とし穴
記入項目にある「電話番号」欄ですが、ここには書き方の厳格なルールがあります。
• NG: 会社の電話番号
• OK: 個人の携帯電話 または 自宅の固定電話
手引きにも「事務所の番号は不可」と明記されています。 これは、万が一の際に行政庁等が本人と直接連絡を取るためのものです。社長だけでなく、他の役員や監査役の方の携帯番号も確認しておく必要があります。
4. 相談役・顧問はどうする?
この「添付書類9」自体には、相談役や顧問を記載する欄はありません。 しかし、証明書の収集ルールにおいては、相談役・顧問についても「身分証明書」と「登記されていないことの証明書」が必要となります。
• 添付書類9: 役員・政令使用人を記載
• 証明書収集: 役員・政令使用人 + 相談役・顧問
この微妙な違いに注意してください。
まとめ
「代表者等の連絡先に関する調書」は、単なる連絡先リストではありません。 「このメンバーで宅建業の免許審査を受けます」という宣言書であり、必要書類収集のチェックリストでもあります。
• 監査役や非常勤役員まで網羅されていますか?
• 電話番号は個人のものになっていますか?
• ここに書いた全員分の「身分証明書」等の手配は済みましたか?
申請準備の序盤でこの書類を確定させることが、最短ルートでの免許取得・更新の鍵となります。

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