建設業許可をお持ちの皆様、毎年の「決算変更届(事業年度終了報告)」や5年に一度の「更新申請」の準備は順調でしょうか?
申請書類の中で、特に作成に手間取り、修正を求められやすいのが「工事経歴書(様式第二号)」です。 今回は、埼玉県の手引き(令和7年度版)に基づき、プロの行政書士目線で「工事経歴書」作成のポイントと注意点を解説します。
そもそも「工事経歴書」とは?
工事経歴書は、直前の事業年度(1年間)に、どのような工事を、いくらで、どのくらい施工したかを報告するための書類です。 許可を受けている業種ごとに作成する必要があります。
行政書士が教える!作成の5つの重要ポイント
1. 「業種ごと」に作成していますか?
工事経歴書は、許可を受けている建設業の種類ごとに作成する必要があります。 例えば、「土木」と「舗装」の許可を持っている場合、1枚に混ぜて書くのではなく、土木で1枚、舗装で1枚と分けて作成します。
2. 工事の並び順は「金額の大きい順」
記入する順番は、着工順や完了順ではありません。請負代金の額が大きい順に記入します。 基本的には、完成した主な建設工事について上位10件程度を記入し、その後に主な「未成工事(まだ終わっていない工事)」を金額の大きい順に記入します。
3. 「実績なし」でも提出は必須!
「今年は特定の業種で工事実績がなかった…」という場合でも、書類の提出自体を省略することはできません。 その場合は、建設工事の種類(業種名)を記入し、空欄に「該当なし」と記入して提出してください。
4. 契約の分割記載はNG
これが意外と多い間違いです。 「1件の請負契約を分割して、複数の建設工事として計上することはできません」。 例えば、建築一式工事を請け負ったのに、それを勝手に「大工工事」や「内装工事」などに分解して記載することは認められていませんのでご注意ください。
5. 「配置技術者」の記入漏れに注意
新規申請以外の(更新や決算報告等の)場合、「配置技術者」欄の記入は必須です。 ここには、現場に配置した主任技術者(または監理技術者)の氏名を記入します。
• 主任技術者: 一般建設業・特定建設業に関わらず必ず配置が必要
• 監理技術者: 特定建設業者が一定規模以上の下請契約を結ぶ場合に配置が必要
現場の技術者名が空欄だと受理されませんので、必ず当時の台帳等を確認して記入しましょう。
経審(経営事項審査)を受ける場合は要注意!
公共工事の入札に参加するために「経営事項審査(経審)」を受ける場合は、工事経歴書のルールがさらに厳しくなります。
• 記載件数: 元請工事の合計額の7割を超えるところまで記載するなど、より多くの工事を記載する必要があります。
• 消費税: 必ず「税抜き」で作成しなければなりません(免税業者を除く)。
経審を受けない場合は「税込」でも「税抜」でもどちらでも構いませんが、どちらで作成したか分かるように様式上の「税込・税抜」のいずれかに丸を付けてください。
まとめ
工事経歴書は、御社の1年間の実績を表す重要な書類です。 「たかがリスト作成」と思わず、手引きのルールに従って正確に作成することが、スムーズな審査通過への近道です。
書類作成でご不明な点があれば、建設業許可専門の行政書士までお気軽にご相談ください。

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