【行政書士が解説】「直前3年の各事業年度における工事施工金額」の書き方!決算書・工事経歴書とのズレに注意

建設業許可の新規申請や更新申請、毎年の決算変更届(事業年度終了報告)において、会社の「体力」と「実績」を一目で表す重要な書類があります。

それが、「直前3年の各事業年度における工事施工金額(様式第三号)」です。

一見すると、単に売上数字を転記するだけの簡単な書類に見えますが、実は「他の書類との数字の不一致」で補正(修正)を求められるケースが非常に多い書類でもあります。

今回は、埼玉県の手引き(令和7年度版)に基づき、プロの行政書士が作成時の絶対ルールと注意点を解説します。

そもそも、この書類は何のためにある?

この書類は、直前の事業年度から遡って過去3年間の、建設工事の請負実績(完成工事高)を一覧にしたものです。 「許可を持っている業種」と「それ以外の業種(その他)」に分けて記載することで、その会社がどの分野でどれくらいの実績を上げているかが分かります。

審査で突っ込まれる「3つの不一致」に注意!

この書類を作成する際、最も重要なのは「整合性」です。以下の3つの数字がピタリと一致していないと、窓口で修正を求められます。

1. 「損益計算書」との一致

様式第三号の各年度の「合計」欄の数字は、同年度の「損益計算書(様式第16号・19号)」の「完成工事高」と完全に一致している必要があります。「兼業事業売上高」が混ざっていないか、計算ミスがないか必ず確認しましょう。

2. 「工事経歴書」との一致

様式第三号の内訳(業種ごとの金額)は、セットで提出する「工事経歴書(様式第二号)」の合計金額と一致していなければなりません。 例えば、工事経歴書(電気工事)の合計が1,000万円なのに、様式第三号の電気工事の欄が1,200万円になっている……といったズレはNGです。

3. 「消費税」の扱いの一致

金額を「税込」で書くか「税抜」で書くかは、財務諸表の作成方法に合わせるのが基本ですが、全ての書類で統一する必要があります。

経営事項審査(経審)を受ける場合: 必ず「税抜き」で作成します。

免税事業者の場合: 「税込」で作成します。

様式の上部にある「税込・税抜」のどちらかに必ず丸を付け、他の書類と矛盾がないようにしましょう。

「実績なし」の場合のルール

「許可は持っているけれど、直近の決算では工事実績がなかった」という場合でも、書類の作成は省略できません。

• 該当する業種の欄に、数字の「0」を記入してください,。

• 空欄のまま提出することはできません。

これは、「実績がない」という事実を報告するためです。

その他の細かい注意点

単位は「千円」: 決算書が「円」単位でも、この様式は「千円」単位で記入します(1,000円未満は切り捨て、四捨五入などが認められています),。

公共・民間の区分: 元請・下請の内訳だけでなく、合計額については「公共工事」と「民間工事」の内訳も記載する必要があります,。

用紙の枚数: 業種が多くて1枚に書ききれない場合は、2枚目以降を作成し、「その他の建設工事」や「合計」欄は最終ページのみに記入します。

まとめ

「直前3年の各事業年度における工事施工金額」は、単なる数字の羅列ではなく、御社の過去3年間の歩みを証明する書類です。

1. 損益計算書の売上と合っているか?

2. 工事経歴書の集計と合っているか?

3. 税込み・税抜きは統一されているか?

この3点を提出前にセルフチェックするだけで、手続きのスムーズさが格段に変わります。 数字の整合性が取れない、過去の書類と数字が合わないとお悩みの場合は、建設業許可専門の行政書士までご相談ください。

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