建設業許可を取得・維持する上で、最も大切なのは「人」です。 その「人」の裏付けを証明する書類が、「営業所技術者等一覧表」です。
「資格を持っている人を並べるだけでしょ?」 もしそう考えているなら、注意が必要です。営業所技術者には、非常に厳しい「常勤性」と「専任性」が求められます。ここが崩れると、許可そのものが一気に取り消しの危機に瀕します。
今回は、企業法務の視点から、この一覧表を作成する際の急所を解説します。
1. 専任技術者の「常勤性」と「専任性」をどう証明するか?
一覧表に名前を載せる以上、その技術者は以下の条件を満たしていなければなりません。
- 常勤性: 営業所の休日や営業時間中、その営業所にフルタイムで勤務していること。
- 専任性: 他の法人の役員や、他の営業所の技術者、あるいは他の国家資格(宅建業の専任の宅地建物取引士など)と兼任していないこと。
「本社に名前を置いているけれど、実際は現場に出っ放し」 「名義を貸してもらっているだけ」 これらはすべて虚偽記載となり、コンプライアンス上、極めて高いリスクを伴います。
2. 濱口事務所がシビアに見極める「整合性」
私は企業の法務部で、多拠点の要員配置や内部監査を扱ってきました。その経験から、一覧表を作成する際は、以下の「境界線」を徹底的に精査します。
① 社会保険・住民税との整合性
一覧表に記載した技術者が、本当にその会社で常勤しているかは、健康保険の被保険者証のコピーや住民税の特別徴収義務者指定通知書などで裏付けます。弊所では、型通りの書類作成ではなく、「行政が求める裏付け資料と、一覧表の内容に一分の隙もないか」を個別設計でチェックします。
② 資格情報の正確な転記
一文字の氏名の違い、資格者証の番号間違い、有効期限切れ。これらは些細なミスに見えて、許可申請においては「虚偽」や「不備」とみなされ、受理されない原因になります。企業の法務監査と同じ厳しさで、原案を練り上げます。
③ 住所と営業所の距離
技術者の住所と勤務する営業所が、通勤圏内として妥当か。あまりに遠距離な場合、常勤性を疑われるポイントになります。法務実務の経験に基づき、こうした「審査の裏側」を見越したアドバイスを行います。
3. 「法令遵守はプロとしての最低限の礼儀」
「どこまでが書類作成で、どこからが交渉か」 建設業許可において、要件を満たさない人物を無理に技術者として登録させるような「交渉」を私はいたしません。それはご依頼者様を将来的な許可取消という最大のリスクに晒すことになるからです。
行政書士法を厳格に遵守し、「正攻法で要件を満たす配置」をご依頼者様と共に考え、確かな書面に整える。それが濱口事務所のスタイルです。
まとめ:正しい「人」の配置が、企業の未来を守る
「この資格でこの業種の専技になれる?」「他社の役員をしているけれど大丈夫?」 技術者の配置で迷いが生じたときこそ、まずはあなたの言葉で状況をお聞かせください。
20年の法務経験に基づいたシビアな視点と、一番話しやすい窓口としての柔軟さ。この両輪で、あなたの会社の経営基盤である「建設業許可」を強固にサポートいたします。

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