「これって、もしかして人権侵害?」 いじめや虐待、パワーハラスメント、インターネットでの誹謗中傷、差別など、私たちの周りにはさまざまな人権問題があります。悩んでいても、「どこに相談すればいいのか分からない」「大げさにしたくない」と、一人で抱え込んでしまう方も少なくないかもしれません。
そんな時、あなたの身近な地域に、無料で秘密厳守で相談に乗ってくれる頼れる存在がいることをご存知でしょうか?
それが、法務大臣から委嘱された民間のボランティア、「人権擁護委員(じんけんようごいいん)」です。今回は、法務省のホームページを参考に、私たちの暮らしに寄り添う人権擁護委員についてご紹介します。
人権擁護委員ってどんな人?
人権擁護委員は、特別な資格が必要な専門家というわけではありません。地域の実情に詳しく、社会的な信望があり、人権擁護に理解のある人たちが、市町村長の推薦を受けて法務大臣から委嘱されています。
現在、全国すべての市区町村に約14,000人が配置されており、さまざまな職業や経歴を持つ人たちが、地域に根差したボランティアとして活動しています。あなたの町にも、必ず人権擁護委員がいます。
どんな活動をしているの?
人権擁護委員の活動は、大きく分けて3つの柱があります。
1. 人権相談に乗ってくれる! (人権相談活動)
「困ったな」「おかしいな」と感じたとき、人権擁護委員は最初の相談窓口になってくれます。法務局や市役所などで開設される相談所や電話、インターネットで相談を受け付けています。
- いじめや虐待に悩んでいる
- 職場でのセクハラやパワハラに困っている
- インターネット上でひどい悪口を書かれた
- 差別的な言動を受けた
など、どんな些細なことでも大丈夫。親身になって話を聞き、どうすれば問題を解決できるか一緒に考えてくれます。
2. 問題解決のお手伝い (調査・救済活動)
相談を受け、人権が侵害された疑いがある場合は、法務局と協力して調査を始めます。これは強制的なものではなく、関係者から話を聞くなどして事実関係を確かめます。
そして、人権侵害が認められた場合には、
- 当事者間の関係を調整する
- 人権侵害をした人に対して、改善を求める(説示)
- 再発防止のため、関係機関に必要な措置をとるよう求める(要請)
といった方法で、被害に遭った人を救済し、問題の解決を図ります。
3. 人権の大切さを伝える (啓発活動)
問題が起きてからだけでなく、そもそも人権侵害が起きない社会を作るための活動も重要です。
- 小中学校での**「人権教室」**の開催
- 地域のお祭りやイベントでの啓発キャンペーン
- 「人権の花」運動(子どもたちが花を育てることを通じて命の尊さを学ぶ)
などの地道な活動を通じて、地域の人々が人権について関心を持ち、お互いを尊重する気持ちを育むお手伝いをしています。
相談したいときはどうすればいい?
相談は無料で、秘密は固く守られます。安心して相談できる窓口がたくさん用意されています。
- 電話で相談
- みんなの人権110番:
0570-003-110(全国共通ナビダイヤル)- 差別や虐待など、様々な人権問題について相談できます。
- こどもの人権110番:
0120-007-110(フリーダイヤル)- いじめなどで悩む子どものための専用相談ダイヤルです。
- 女性の人権ホットライン:
0570-070-810(全国共通ナビダイヤル)- DVやセクハラなど、女性をめぐる人権問題の専用相談ダイヤルです。
- みんなの人権110番:
- インターネットで相談
- 法務省の「インターネット人権相談受付窓口」から24時間いつでも相談を申し込むことができます。後日、最寄りの法務局からメールや電話などで回答があります。
- 会って相談
- 全国の法務局・地方法務局や、市役所などで開設される「特設人権相談所」で、人権擁護委員に直接相談することができます。開設日時はお住まいの地域の法務局や市町村のホームページなどで確認してください。
まとめ
人権擁護委員は、私たちの人権を守るために活動する「身近な相談相手」です。人権は、誰もが生まれながらに持っている大切な権利。もしあなたやあなたの周りの人が人権問題で悩んでいたら、決して一人で抱え込まずに、勇気を出して人権擁護委員に相談してみてください。きっと、解決への第一歩を力強くサポートしてくれるはずです。
【参考】
- 法務省 人権擁護局フロントページ: https://www.moj.go.jp/JINKEN/

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