【行政書士解説】宅建業免許の「略歴書」は2種類ある?記入の落とし穴と「空白期間」のルール

こんにちは、行政書士です。

宅建業の免許申請(新規・更新)書類を作成する際、地味ながらも作成に手間取るのが「略歴書」です。市販の履歴書と似ていますが、実はこの書類、「誰が書くか」によって使う様式が違うことをご存じでしょうか?

今回は、審査で「書き直し」にならないための、略歴書作成の重要ポイントを解説します。

1. 「添付書類(3)」と「添付書類(8)」の違い

まず、手引きを確認すると「略歴書」と呼ばれる書類が2つあることに気づきます。

1. 添付書類(3) 略歴書

2. 添付書類(8) 略歴書(専任の宅地建物取引士等)

名前は似ていますが、対象者が異なります。ここを間違えると書類の作り直しになりますので注意が必要です。

添付書類(3)を使う人:

    ◦ 役員全員(代表取締役、取締役、監査役など)

    ◦ 政令使用人(支店長など)

    ◦ ※「添付書類(9)代表者等の連絡先に関する調書」に名前を書いた人は、全員この様式を使います。

添付書類(8)を使う人:

    ◦ 専任の宅地建物取引士(※役員ではない場合)

    ◦ 相談役、顧問

【ここがポイント!】 「専任の宅建士」が「取締役」を兼ねている場合はどうなるでしょうか? この場合、役員としての提出が優先されるため、「添付書類(3)」を作成し、「添付書類(8)」の作成は不要となります。二重に作る必要はありません。

2. 「空白期間」を作ってはいけません

略歴書の作成において、行政庁が最も厳しくチェックするのが「職歴のつながり」です。

開始時期: 最終学歴卒業後からスタートします。

連続性: 現在に至るまで、年月が途切れないように記入する必要があります。

例えば、転職活動中や休職中で無職の期間があった場合、そこを空欄にしてはいけません。 「平成〇年〇月~令和〇年〇月 家事手伝い」「〇〇~〇〇 求職活動」といった形で記入し、空白期間がないように埋めてください。

3. 意外と細かい記入ルール

ただ会社名を書くだけでは不十分です。以下の点に注意して記入しましょう。

常勤・非常勤の別: 職務内容欄には、役職だけでなく「(常勤)」「(非常勤)」といった勤務形態も記入します。

他業種もすべて書く: 不動産業界の経歴だけでなく、過去に従事した全ての職歴(飲食業、建設業など)を記入します。

住所・電話番号の有無:

    ◦ 添付書類(3)(役員用): 住所・電話欄はありません(別途「添付書類(9)」で報告するため)。

    ◦ 添付書類(8)(専任宅建士用): 様式内に住所・電話番号・生年月日の記入欄があります。

4. 他の書類との「整合性」チェック

審査官は、提出された複数の書類を見比べて矛盾がないかチェックします。

氏名の漢字: 身分証明書や住民票と全く同じ字体で書かれていますか?(「高」と「髙」、「崎」と「﨑」など)

役職名: 登記簿謄本(履歴事項全部証明書)の役職名と一致していますか?

兼務状況: 専任の宅建士の場合、職歴の「現在」の欄が、他社の非常勤役員などになっていませんか?(専任性の確認に関わります)

まとめ

たかが略歴書、されど略歴書。 特に「添付書類(3)」と「添付書類(8)」の使い分けや、専任宅建士が役員を兼ねている場合の省略ルール は、慣れていないと迷うポイントです。

「役員の経歴なんて覚えていないよ…」という場合も多いかと思いますが、古い年金手帳や過去の確定申告書などを引っ張り出して、正確な年月を記入するようにしましょう。

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