建設業許可の申請において、本店のほかに支店や事業所がある場合に作成する「営業所一覧表」。
「支店の住所を書くだけでしょ?」と思われがちですが、建設業法における「営業所」には、他の法律(商法や会社法)とは異なる独自の定義があります。ここを曖昧にしたまま申請すると、実地調査で「ここは営業所とは認められない」と判断され、許可が取り消しになるリスクさえあります。
今回は、企業法務の視点から「営業所一覧表」を作成する際の急所を解説します。
1. 建設業法が定める「営業所」の3つの条件
一覧表に記載する場所は、以下の実態をすべて備えていなければなりません。
- 契約締結権限があること 単なる連絡所や工事現場の詰所(プレハブなど)は含まれません。見積もり、入札、契約締結の実務がそこ行われている必要があります。
- 専任の技術者が常駐していること 営業所ごとに、その業種に対応した「専任技術者(専技)」がフルタイムで勤務していなければなりません。
- 独立したスペースと設備があること 他社と共有していない、看板・電話・机・椅子・接客スペースなどが物理的に整っていることが求められます。
2. 濱口事務所がシビアに見極める「境界線」
私は企業の法務部で、多拠点の管理や内部統制を見てきました。その経験から、以下の点を特に重視して書類を作成します。
- 「支店」と「営業所」の不一致を解消する 登記簿上の「支店」であっても、建設業の契約をしない場所は「営業所一覧表」には載せません。逆に、登記していなくても実態が営業所であれば、一覧表に記載し、自治体への届出が必要になります。
- 物理的実態の整合性(写真との照合) 申請時には、営業所の写真(看板、室内、入り口など)を添付します。一覧表の記載と実際の写真に矛盾がないか、企業の法務監査のような厳しい目で精査します。
- 「経営業務の管理責任者」との距離 主たる営業所以外の営業所には、経営業務を統括する「令第3条の使用人(支店長など)」を置く必要があります。その人物の常勤性を、社会保険加入状況などから個別設計で裏付けていきます。
3. なぜ「型通りの処理」では危ないのか?
最近では、テレワークやシェアオフィスの普及により、営業所の実態判断がより複雑になっています。
「自宅の一部を営業所にできるか?」「バーチャルオフィスは認められるか?」 こうした疑問に対し、法令を厳格に遵守しつつ、ご依頼者様の事業実態に合わせた「正攻法」の原案を練り上げるのが、濱口事務所のこだわりです。
まとめ:強固な拠点管理が、信頼の証となる
「営業所一覧表」は、あなたの会社がどの拠点で、誰が責任を持って工事を請け負っているかを示す重要な公示資料です。
「この場所は営業所として登録すべき?」「写真の撮り方で注意点は?」 難しい判断が必要な時こそ、まずはあなたの言葉で拠点の状況をお聞かせください。一番話しやすい窓口として、法務実務の経験に基づいた確実な書面作成をお約束します。

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